手術用カメラの話題です。
私はCanonのカメラが好きです。なぜCanonのカメラが好きかというと、「おまかせモード」もしくは「P:プログラムオート」で十分きれいな画像が撮影できるからです。
私にはカメラの知識はほとんどなく、F値とか絞りとかよくわかりません。
手術中の記録ですから、アートの要素は必要なく、目の前の被写体を見える色、形そのままに撮影したいのです。
手術用カメラに求められる条件
1)「プログラムオート」で撮影した時の画質、色合い、被写界深度が十分であること。
手術時は無影灯の強い照明下で作業しており、目がその強い明りに慣れてしまっています。手術中にデジカメの液晶画面で撮影した画像をチェックしようとしても、詳細まで十分確認できませんし、時間的余裕もありません。一度撮影してみて、暗いと感じたら露出を変更して再撮影したらOKくらいの操作感で、手術後に確認したら「なかなかきれいに写っているな」と思えるような画像を得たいものです。
また、奥行きのある構図で周辺部がボケすぎるのも困ります。できれば構図内のすべてでピントが合っていてほしいです。そうじゃないと、写っているものに対する正確な所見が残せません。
↑Canon Powershot S110 f/4 1/40s ISO-80 プログラムオート
小型犬の膝蓋骨内方脱臼手術時に撮影した写真。
前十字靭帯に異常がないこと、大腿骨滑車溝や外顆の関節面に異常がないこと、内顆の関節面の一部と膝蓋骨の関節面は光沢が失われていること、膝蓋骨近位内側に血管新生が認められること、関節包はそれほど肥厚していないこと、骨棘もほとんど形成されていないこと、などが確認できる。
2)その機種に対応したハウジングが販売されていること。
水中撮影用のカメラハウジング(カメラケース)を滅菌して利用することになりますので、ハウジングが販売されていることが条件です。
困ってしまうのは、モデルチェンジのタイミングでハウジングも販売中止になる機種がほとんどのため、1年後2年後にハウジングを買い替えようと思ってももう売っていないことです。1年くらい使用していると、ガス滅菌の影響でハウジングが劣化してきます。買い替えようかなと思ったら、もう純正ハウジングは販売していない、なんとかサードパーティ品が見つかったけれど、今後どうしよう。。。 と、いう状況におちいってしまいます。
私はCanonのPowershot S100を最初購入しましたが、購入したのが秋だったのですでにメーカー純正ハウジングは品切れになっていました。そのため、ikelite社製のハウジングをアマゾンで購入して使用していました。1日に複数症例の手術をすることもありますし、前日の手術が夜遅くまでかかってしまった場合、翌日の手術にガス滅菌が間に合わないこともありますので、ハウジングをもう1個買い増すことにしました。見た目上、S100とS110はほとんど同じサイズと外観なので安価なMeikon社製ハウジングを購入して試してみましたところ、本体サイズと電源ボタンの位置が数ミリ変更されていたため、共用できませんでした。結局、S110も購入することとし、S110用のハウジングも合計4個購入しました。
その点では、Sony DSC-RX100シリーズは理想的です。初期型RX100からRX100Vまで、ほぼ同じ外形とデザインを踏襲し、ウォータープルーフケースも各世代で互換性の得られるメーカー純正品がリリースされています。Canonとは逆の考え方で、過去のモデルを廃止せず、RX100、RX100II、RX100III、RX100IV、RX100Vと、すべての世代が現在でも生産・販売されています。RX100の販売開始は2012年です。過去に購入したモデルが今でも販売されていて、壊れた時には修理できるなんて、とても素晴らしいことだと思います。
↑2018年現在(https://www.sony.jp/cyber-shot/lineup/)
3)ハウジングにリングライトやマクロレンズが取り付け可能であること。
手術中の撮影は、関心部分をクローズアップして撮影することが多いです。とくに日本ではトイ犬種が多いので、被写体そのもののサイズが小さいです。マクロ撮影が必須になりますし、レンズを近づけて撮影するためにはリングライトが必要となります。ハウジングにリングライトやクローズアップレンズが取り付けられることが必須です。
↑Sony RX-100V用メーカー純正ハウジング(MPK-URX100A)の前面レンズ部にはM67レンズリングが装備されていますので、各社から販売されているクローズアップレンズを直接ねじ込むことができます。リングライトも同様の方法で装着できます。上面にはアクセサリーシューがあるので、ライトの電源などを装着することが可能です。
4)コンパクトサイズであること。
水中撮影用のカメラハウジングはカメラ本体の大きさよりも1まわりも2まわりも大きいです。いわゆるコンデジサイズのデジカメでも、ハウジングの大きさは1眼レフサイズに匹敵します。ガス滅菌機のキャパシティは限られているので、なるべく小さいほうが理想的です。
↑左から順に、Canon Powershot S120用、Sony RX-100V用、OLYMPUS Pen用のメーカー純正ウォータープルーフケース。
ミラーレス一眼のサイズでもハウジングはかなり大型になります。ガス滅菌機のキャパシティを考えると、なるべく小型であることが理想的です。本学動物医療センターで使用しているガス滅菌機はダンボール1箱分くらいのキャパシティがあるので、OLYMPUS Pen用のハウジングを滅菌すること自体は可能なのですが、その他に必要な滅菌業務に支障をきたすのではないかと心配になりました。
私はCanonのカメラが好きです。なぜCanonのカメラが好きかというと、「おまかせモード」もしくは「P:プログラムオート」で十分きれいな画像が撮影できるからです。
私にはカメラの知識はほとんどなく、F値とか絞りとかよくわかりません。
手術中の記録ですから、アートの要素は必要なく、目の前の被写体を見える色、形そのままに撮影したいのです。
手術用カメラに求められる条件
1)「プログラムオート」で撮影した時の画質、色合い、被写界深度が十分であること。
手術時は無影灯の強い照明下で作業しており、目がその強い明りに慣れてしまっています。手術中にデジカメの液晶画面で撮影した画像をチェックしようとしても、詳細まで十分確認できませんし、時間的余裕もありません。一度撮影してみて、暗いと感じたら露出を変更して再撮影したらOKくらいの操作感で、手術後に確認したら「なかなかきれいに写っているな」と思えるような画像を得たいものです。
また、奥行きのある構図で周辺部がボケすぎるのも困ります。できれば構図内のすべてでピントが合っていてほしいです。そうじゃないと、写っているものに対する正確な所見が残せません。
↑Canon Powershot S110 f/4 1/40s ISO-80 プログラムオート
小型犬の膝蓋骨内方脱臼手術時に撮影した写真。
前十字靭帯に異常がないこと、大腿骨滑車溝や外顆の関節面に異常がないこと、内顆の関節面の一部と膝蓋骨の関節面は光沢が失われていること、膝蓋骨近位内側に血管新生が認められること、関節包はそれほど肥厚していないこと、骨棘もほとんど形成されていないこと、などが確認できる。
2)その機種に対応したハウジングが販売されていること。
水中撮影用のカメラハウジング(カメラケース)を滅菌して利用することになりますので、ハウジングが販売されていることが条件です。
困ってしまうのは、モデルチェンジのタイミングでハウジングも販売中止になる機種がほとんどのため、1年後2年後にハウジングを買い替えようと思ってももう売っていないことです。1年くらい使用していると、ガス滅菌の影響でハウジングが劣化してきます。買い替えようかなと思ったら、もう純正ハウジングは販売していない、なんとかサードパーティ品が見つかったけれど、今後どうしよう。。。 と、いう状況におちいってしまいます。
私はCanonのPowershot S100を最初購入しましたが、購入したのが秋だったのですでにメーカー純正ハウジングは品切れになっていました。そのため、ikelite社製のハウジングをアマゾンで購入して使用していました。1日に複数症例の手術をすることもありますし、前日の手術が夜遅くまでかかってしまった場合、翌日の手術にガス滅菌が間に合わないこともありますので、ハウジングをもう1個買い増すことにしました。見た目上、S100とS110はほとんど同じサイズと外観なので安価なMeikon社製ハウジングを購入して試してみましたところ、本体サイズと電源ボタンの位置が数ミリ変更されていたため、共用できませんでした。結局、S110も購入することとし、S110用のハウジングも合計4個購入しました。
その点では、Sony DSC-RX100シリーズは理想的です。初期型RX100からRX100Vまで、ほぼ同じ外形とデザインを踏襲し、ウォータープルーフケースも各世代で互換性の得られるメーカー純正品がリリースされています。Canonとは逆の考え方で、過去のモデルを廃止せず、RX100、RX100II、RX100III、RX100IV、RX100Vと、すべての世代が現在でも生産・販売されています。RX100の販売開始は2012年です。過去に購入したモデルが今でも販売されていて、壊れた時には修理できるなんて、とても素晴らしいことだと思います。
↑2018年現在(https://www.sony.jp/cyber-shot/lineup/)
3)ハウジングにリングライトやマクロレンズが取り付け可能であること。
手術中の撮影は、関心部分をクローズアップして撮影することが多いです。とくに日本ではトイ犬種が多いので、被写体そのもののサイズが小さいです。マクロ撮影が必須になりますし、レンズを近づけて撮影するためにはリングライトが必要となります。ハウジングにリングライトやクローズアップレンズが取り付けられることが必須です。
↑Sony RX-100V用メーカー純正ハウジング(MPK-URX100A)の前面レンズ部にはM67レンズリングが装備されていますので、各社から販売されているクローズアップレンズを直接ねじ込むことができます。リングライトも同様の方法で装着できます。上面にはアクセサリーシューがあるので、ライトの電源などを装着することが可能です。
4)コンパクトサイズであること。
水中撮影用のカメラハウジングはカメラ本体の大きさよりも1まわりも2まわりも大きいです。いわゆるコンデジサイズのデジカメでも、ハウジングの大きさは1眼レフサイズに匹敵します。ガス滅菌機のキャパシティは限られているので、なるべく小さいほうが理想的です。
↑左から順に、Canon Powershot S120用、Sony RX-100V用、OLYMPUS Pen用のメーカー純正ウォータープルーフケース。
ミラーレス一眼のサイズでもハウジングはかなり大型になります。ガス滅菌機のキャパシティを考えると、なるべく小型であることが理想的です。本学動物医療センターで使用しているガス滅菌機はダンボール1箱分くらいのキャパシティがあるので、OLYMPUS Pen用のハウジングを滅菌すること自体は可能なのですが、その他に必要な滅菌業務に支障をきたすのではないかと心配になりました。