2019年3月2日土曜日

手術撮影用のビデオカメラ

手術中の動画撮影に関する話題です。
私は手術の様子をカメラだけでなく、ビデオでも撮影しています。また同時に、その映像を手術室内の大型ディスプレイに映写しています。私が手術の動画を撮影するようになったきっかけは、実習中の学生になるべく手術を見て興味をもってもらいたかったからです。手術の細かい内容は周辺からでは見えにくく、遠巻きに見学してるだけでは退屈かもしれません。あるいは、手術しながら説明する場面では、術者が見ている様子そのものを見てもらうのが効果的と考えました。
 
医療用として販売されているビデオカメラシステムは数十万円から数百万円する高価なものばかりで、とても個人で購入できるものではありません。近年のビデオカメラの進化はとても早く、ハイビジョン画質がいつの間にかフルハイビジョンに、そして今では4K画質から8K画質にまで向上しています。一般的に販売されているビデオカメラでどれくらいの画質の手術動画が撮影できるのかを検証してみたくなったのがきっかけで、このようなことに興味を持ち始めました。
 
手術中に動画撮影をする目的
1)教育用: 手術の様子を見学することで、教科書には書かれていない技術的内容(例えば、手の動かし方、器具の使い方、患肢の保持の仕方、ランドマークの見つけ方、など)に対する理解が深まります。術者目線で撮影されているとより一層効果的でしょう。将来的には3D撮影もしてみたいです。
2)記録用: 手術動画が記録用として保存されていると、何か理由が発生した際にいつでも内容を確認することができます。手術はコンサートや運動会と同じように、1回きりのイベントです。その時に撮影しておかないと、2度目のチャンスはありません。私は2TBのHDDに動画をコピー保存していますが、FHD(フルハイビジョン)画質で約150件くらいの手術動画(1~3時間/件)を記録できます。
3)ライブビュー用:本学の動物医療センター手術室には大型ディスプレイが設置されており、手術の様子をライブビューで観察できるようになっています。このような環境を整えることで見学実習生の学習効果がより高まると考えられますし、麻酔師やその他のスタッフにとっても手術の進行状況が確認しやすくなりました。
 
 
 
 
↑現在、私が使用しているのはパナソニックのHC-VX980Mです。FHDでの撮影になりますが、ハイビジョンカメラと4Kカメラで撮影した映像(FHD画質)を見比べると圧倒的に4Kカメラのほうが鮮明です。

 ↑無影灯のハンドルにカメラ用一脚とL字ステーを加工して取り付けてあります。動画撮影を開始した当初、無影灯のハンドルにカメラを取り付けるべきか、別のスタンドを設置するべきかで悩みました。なるべくハンドルの形状を維持した状態で検証したいと思い、このような方法をとりましたが、今ならもっと大胆に加工(グリップを切断してL字ステーを取り付ける)すると思います。

↑無影灯に取り付けた際の様子

 ↑別のハンドルでの加工例。山田照明のハンドルにネジ穴を加工し、ストレートのステーをそのまま取り付けた場合。

 ↑ステーを取り付けた状態

↑このような方法は使わない時は取り外し可能であり、なおかつネジ穴を加工しただけなので原状復帰もしやすいです。ただし、ビデオカメラの形状によっては、ハンドルの中心軸とレンズ中心がずれてしまう可能性があるので注意が必要です。
 

↑他のメーカーがどのような充電コードなのか知りませんが、パナソニックの充電コードはUSB接続です。なので、モバイルバッテリーで充電しながら使用することができます。

 ↑接続するモバイルバッテリーの容量に応じて、長時間の撮影も可能です。本体付属のバッテリー単体で撮影できるのは約1.5時間ですが、6700mAhのモバイルバッテリーを接続すると4~5時間の撮影が可能となります。

 ↑無影灯に取り付けた際の本体側の様子

↑充電用コードを無影灯のアーム部分にテープで固定したモバイルバッテリーに接続します。



また、ライブビューイングには無線HDMIが便利です。
↑私はLogitecのLDE-WHDI202TRを使用しています。


 ↑ビデオカメラとHDMI送信機間は、HDMIケーブルで接続します。

↑HDMI送信機の電源にはやはりポータブル充電器が利用できます。


↑手術中のライブビューイングの様子



手術中の動画撮影の参考にしていただければ幸いです。


注意)上記内容について十分に理解できない人はマネしないでください。とくに、手術中にビデオが落下したりすると事故やけがの原因になりますので、無影灯にビデオカメラを接続する場合には事前によく確認してから実施してください。また、カメラやケーブルは無影灯同様に清潔な状態を保ち、手術以外の目的では使用しないなど、衛生管理を徹底してください。また、手術手技と会話の内容がすべて記録されますので、正確かつ無菌的な手術の実践を徹底してください。